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【同人誌レビュー】格闘ゲーム無敗のお嬢様が総合格闘技に出会う話【雨に煙る】

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格闘ゲーム無敗のお嬢様が総合格闘技に出会う話:感想とレビュー

ストーリー:格ゲーの女王から総合格闘技の挑戦者へ

まず、この漫画の一番の魅力は、主人公のお嬢様、格闘ゲームでは無敗の強さを誇っていた彼女が、現実の格闘技、それも総合格闘技の世界に足を踏み入れるという、大きな転換を描いている点だ。 単なる「格闘ゲームが強い→総合格闘技も強い」という単純な展開ではなく、格闘ゲームと総合格闘技の明確な違い、そしてその違いを乗り越えるための努力と葛藤が丁寧に描かれている。 それは、ゲームパッドを握る指先から、汗と泥にまみれた拳へと変わる、主人公の成長物語でもあるのだ。

ゲームの世界では無敵だった彼女が、現実の暴力に初めて触れ、完膚なきまでに叩きのめされる。その衝撃的な敗北は、決して単なる見せ場として描かれているのではなく、彼女自身の格闘に対する認識を根本から揺るがす、重要な契機となっている。 その経験を通して、彼女は自分の弱さを知り、そして同時に、新たな強さを求めるようになるのだ。 この敗北の描写は、リアリティがあり、読者に主人公の苦悩を深く理解させる効果を持っている。

そして、リベンジの相手である総合格闘技部の先輩との出会い、そしてその先輩とのスパ―を通して、彼女は総合格闘技の奥深さ、そして自分の未熟さを痛感する。 ただ強いだけでなく、テクニックや戦略、そして精神力も必要であることを学ぶ過程は、読者にも共感できる部分が多く、彼女への感情移入を深めるだろう。 28ページという短いながらも、この過程はしっかりと描かれており、物足りなさを感じることはない。むしろ、コンパクトにまとめられたことで、主人公の成長がより鮮やかに際立っている。

キャラクター:魅力的なキャラクターと人間関係

主人公のお嬢様は、一見すると傲慢で自己中心的な印象を与えるかもしれないが、物語が進むにつれて、彼女の芯の強さや努力家な一面が見えてくる。 敗北を素直に受け止め、改善しようと努力する姿は、読者に好感を抱かせるだろう。 また、総合格闘技部の先輩も、単なるライバルとしてではなく、主人公の成長を促す存在として描かれている点が素晴らしい。 二人の関係性、そしてその中で生まれる信頼関係や友情は、物語に深みを与えている。 他の部員たちも個性的で、それぞれのキャラクターがしっかり描かれている点も高く評価できる。 28ページという短い作品の中で、これだけのキャラクターを魅力的に描くのは容易ではないだろう。

作画:迫力と繊細さを兼ね備えた描写

作画は、格闘シーンの迫力と、キャラクターの表情の繊細さの両方を兼ね備えている。 激しい打撃や関節技、そして流血描写(ソフトリョナとのことだが)は、見ていて手に汗握るような臨場感がある。 しかし、ただ単に暴力的な描写に終始するのではなく、キャラクターの感情や動きを丁寧に描くことで、よりリアルで、そして感情移入しやすいものになっている。 特に、主人公の表情の変化は、彼女の心の葛藤を的確に表現していて見事だ。 また、背景などもきちんと描かれており、全体のクオリティの高さが伺える。

総合格闘技の描写:リアリティとエンターテイメントの融合

この作品は、総合格闘技を題材としているため、その描写のリアリティが重要となる。 この漫画は、総合格闘技の技術やルールを正確に描写しているわけではないだろうが、それでも、格闘技の迫力や、試合の緊迫感を伝えることに成功している。 現実の格闘技を知っている読者であれば、多少の不自然さを感じる部分もあるかもしれない。しかし、それは、この作品がリアリティを追求したドキュメンタリーではなく、エンターテイメント作品であることを考慮すれば、許容範囲内だと言える。 むしろ、多少のデフォルメによって、格闘シーンの迫力やドラマ性を高めている側面もある。

全体的な感想:短編ながら満足度の高い作品

28ページという短い作品ながら、主人公の成長、キャラクターの魅力、そして総合格闘技の迫力など、多くの要素を見事に詰め込んでいる。 格闘ゲーム好き、総合格闘技好き、そして成長物語が好きな人なら、きっと満足できる作品だろう。 短編だからこそ、テンポがよく、最後まで飽きずに読むことができるのも魅力だ。 また、全年齢向けという点も、幅広い層に受け入れられる理由の一つとなっている。 総合格闘技の描写に抵抗のある人は注意が必要だが、ソフトリョナ表現にとどまっているため、過度な暴力描写に抵抗がないのであれば、安心して楽しめる作品だと言えるだろう。 続編を期待せずにはいられない、非常に完成度の高い作品である。 ぜひ、多くの人に読んでほしい一本だ。

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