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【同人誌レビュー】PERSONAL_LOG_OF_E=2517077【イ類融合産業】

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PERSONAL_LOG_OF_E=2517077:歪んだ愛の記録

この同人誌『PERSONAL_LOG_OF_E=2517077』は、異星人による一方的な、そして異常なまでの愛情を描いたSF漫画だ。戦争で両親を殺され、深いPTSDを抱える人間と、彼に執着する異星人の関係が、全28ページ、濃密な描写で綴られている。簡潔に言えば、異星人による略奪婚であり、ボーイズラブとしても、SFホラーとしても解釈できる多層的な作品だ。

凄まじいまでの執着と、壊れていく主人公

物語は、主人公である戦争で両親を喪った兵士の視点から始まる。彼は強いPTSDを抱え、日常生活にも支障をきたしている。そんな彼に、ある日、見知らぬ異星人が接触してくる。最初は警戒していた主人公だが、異星人の圧倒的な力と執拗なまでの愛情表現に翻弄され、次第に精神を蝕まれていく。

異星人の愛情は、決して温かいものではない。それは、一方的で、所有欲に満ち溢れ、主人公の意思を完全に無視したものだ。彼の精神状態を悪化させるような行為を繰り返し、最終的には主人公を完全に自分のものにしてしまう。この過程は、読者にとって非常に不快なものとなるだろう。しかし、だからこそ、作品に描かれた異星人の異常な執着と、主人公の絶望的な状況が際立って見える。

残酷な描写と、それでも続く物語

作品には、リョナ、欠損、性的描写といった、強い衝撃を与える描写が含まれている。これらの描写は、決して安易なものではなく、主人公の精神的な崩壊と、異星人の圧倒的な力、そして歪んだ愛の深さを表現するための重要な要素となっている。

特に、主人公のPTSDや希死念慮といった内面描写は、残酷な描写と相まって、彼の悲惨な状況をより深く理解させる。彼は、異星人による虐待を受けながらも、抵抗することすらできない。抵抗しても無駄だと悟り、もはや希望を失っている。この絶望的な状況が、読者の胸を締め付ける。

メリーバッドエンドと、残された問い

物語は、いわゆる「メリーバッドエンド」で幕を閉じる。主人公は、異星人のもとで「生き延びる」ことになるが、それは彼が望んだ未来ではない。彼は、もはや自分自身ではない。精神は完全に壊れ、異星人への依存に支配されている。

このエンディングは、読者に多くの疑問と、深い余韻を残す。異星人の行動は、果たして愛情と言えるのだろうか?主人公は、本当に幸せになったのだろうか?これらの問いは、読者それぞれが、自身の解釈で答えを見つける必要があるだろう。そして、その答えによって、作品の見え方も大きく変わってくるだろう。

絵柄と構成

絵柄は、繊細で、かつ力強い。特に、主人公の精神的な苦痛や、異星人の圧倒的な存在感を表現する場面では、その力量が遺憾なく発揮されている。また、構成も巧みで、読者の感情を巧みに操り、最後まで読み進めさせてくれる。ページ数の少なさを感じさせない、密度のある作品となっている。

総括:読後感の残る衝撃作

『PERSONAL_LOG_OF_E=2517077』は、決して万人向けの作品ではない。残酷な描写や、暗いテーマに抵抗のある人には、おすすめできない。しかし、強い衝撃を受けながらも、深く考えさせられる作品を求めている人にとっては、必見の作品と言えるだろう。

異質な愛情、歪んだ関係、そして絶望的な未来。これらの要素が複雑に絡み合い、読者に強烈な印象を残す。それは、決して心地良いものではないかもしれない。しかし、この作品が提示する「愛」の形、そして「生」の意味について、深く考えずにはいられないだろう。

最後に

この作品は、そのテーマの重さ、描写の残酷さから、非常に重い読後感を残す。しかし、その重みにこそ、この作品の魅力が凝縮されていると言えるだろう。興味を持った方は、ぜひ自身の目で確かめてほしい。ただし、作品の内容を十分に理解し、覚悟を持ってから読むことをお勧めする。 覚悟なく読むと、精神的に追い詰められる可能性があるからだ。 覚悟を持って挑むなら、きっと、忘れられない作品となるだろう。

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