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一本木蛮『一本木蛮個人誌28・亜州漫帝之二十一 じてんしゃJB日記』レビュー:JBへの愛と自転車への苦悩と笑い
一本木蛮先生の個人誌シリーズ最新作、『一本木蛮個人誌28・亜州漫帝之二十一 じてんしゃJB日記』を読了した。56ページというボリュームの中に、自転車への愛情と、それにまつわる苦労や笑いがぎゅっと凝縮された一冊だ。先生の独特な視点とユーモアセンスが光り、読後感は爽やかでありながらも、どこかほろ苦い。
JBとは何か?母との会話から紐解く
まず、冒頭を飾る「JBって、なぁに?」と母。この問いかけが、本書のテーマを象徴していると言えるだろう。タイトルにもある「JB」とは何か?それは、先生の愛車、自転車を指す隠語であり、同時に、先生自身の分身のような存在だ。お母様とのほのぼのとした会話を通して、「JB」に込められた意味が徐々に明らかになっていく。それは単なる移動手段ではなく、先生の情熱、挑戦、そして喜びそのものなのだ。
ポタリングJB!:楽しいサイクリングの裏に潜む苦難
続く「ポタリングJB!」では、先生が愛車JBと共に、様々な場所をポタリングする様子が描かれる。美しい風景や美味しい食べ物、出会う人々との交流など、サイクリングの楽しさが伝わってくる。しかし、それだけではない。パンク、雨、そして容赦なく襲い掛かる坂道。楽しいサイクリングの裏には、常に苦難がつきまとう。先生は、それらの苦難をユーモアたっぷりに描き出す。自転車に乗る人なら誰もが共感できるであろう、リアルな描写が魅力的だ。特に、パンク修理に苦戦する場面は、読んでいて思わず笑ってしまう。
自転車の悲鳴:メンテナンスの重要性
「・・・じてんしゃが大変なことに。」では、JBのメンテナンスについて触れられている。長年連れ添った愛車JBも、さすがにガタが来ているようだ。タイヤの摩耗、チェーンの錆びつき、ブレーキの不調など、様々な問題が発生する。先生は、それらの問題を一つ一つ丁寧に解決していく。このエピソードを通して、自転車を大切にすること、メンテナンスを怠らないことの重要性を改めて感じさせられる。また、自転車屋さんの親切な対応も描かれており、ほっこりとした気持ちになる。
坂道との戦い:諦めと開き直りの境地
「坂? 登らないよ?」は、自転車乗りにとって永遠のテーマである坂道にスポットを当てたエピソードだ。先生は、坂道に対して徹底的に抵抗する姿勢を見せる。「押して歩く」「迂回する」「そもそも登らない」など、様々な手段を駆使して、坂道を回避しようとする。その姿は、もはやギャグ漫画の域に達している。しかし、読んでいるうちに、先生の諦めと開き直りの境地に、なぜか共感してしまう。坂道を無理に登るよりも、自分のペースで楽しむことが大切だと、先生は教えてくれているのかもしれない。
ウソなき同人少女の中のウソ:創作活動への葛藤
最後に収録されている「ウソなき同人少女の中のウソ」は、少し趣が異なる。先生が同人活動に対する自身の考えを率直に語ったエッセイだ。創作活動の喜び、苦悩、そして葛藤。先生は、それらを包み隠さず表現する。正直すぎるほど正直な告白に、胸を打たれる読者もいるだろう。また、同人活動を通して出会った人々への感謝の気持ちも綴られており、先生の人柄が垣間見える。
まとめ:JBへの愛と笑いに満ちた一冊
『一本木蛮個人誌28・亜州漫帝之二十一 じてんしゃJB日記』は、一本木蛮先生の自転車愛と、それにまつわる様々なエピソードが詰まった、笑いあり、涙ありの一冊だ。自転車に乗る人も、そうでない人も、きっと楽しめるだろう。先生の独特なユーモアセンスと、飾らない人柄が魅力的な作品だ。特に、自転車に乗る人にとっては、共感できる部分が多いのではないだろうか。私も、この本を読んで、久しぶりに自転車に乗りたくなった。先生、素晴らしい作品をありがとうございました。